料理上手な名物女将がつくる『鬼ババァー』

丹波・福知山市
割烹さとう
料理上手な名物女将がつくる『鬼ババァー』
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「大江」駅から徒歩3分。国道17号線沿いに立派な佇まいの割烹さとうがある。ここが“酒呑童子の里どぶろく特区”の最後の一軒。入り口にはさっそく赤い暖簾に「どぶろく鬼ババァー」と強烈な文字が。これまたなんとも印象的なネーミングだ。

さっそく中に入ると、にこやかな女将が座敷に通してくれた。この女将こそ、地元では知る人ぞ知る、料理名人。いや料理研究家というほうが正しいか。昔から他にはない料理をつくるのが好き、そしてとにかく何かひとつのものにはまると徹底して最高の味を追求し、改良に改良を重ね、オリジナルの逸品に仕上げてしまうという、すご腕だ。

取材班が座敷に座ると、さっそく「あれ持ってきて」と女将からご主人に一言。持ってこられたのはなんと、鯖の“へしこ”と白いご飯である。とにかくひとくち食べてみて、と言われるままに箸を付けると、なんとも濃厚で熟成された旨味。もはや鯖ではなく凝縮したたらこのような味である。“へしこ”というジャンルさえ超えてしまっているのではないかという存在感。お酒があれば一升は軽くいけそうな味である。無言でご飯にへしこをのせ、噛みしめる取材班一同。なかにはお茶をかけ、お茶漬けにする者も。(このへしこ茶漬けがまた絶品であった)。

次に出されたのは鮎の“うるか”。これはもう知る人ぞ知る、珍味である。スプーン1杯数万円ともいわれる貴重なもので、市場にはほとんど出回らない。酒飲みの取材班一同、悶絶。
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女将「“へしこ”は何年も改良してやっとこの味にいきついたんですよ。その前は鮎の昆布巻き。これは鮎がたくさん穫れた時に思いついて作ったのですが、これがよく売れて、それからキュウリの粕漬けにヨーグルト、キムチ。いろいろはまりましたね。でも最高の味にいきついた、と思ったらもう飽きてしまうんですよ。そしたら主人にバトンタッチするんです(笑)」。

女将が開発した味を料理人のご主人が守っていく。なんともよくできたご夫婦である。そんな女将が、丹精込めてつくるどぶろくはどんなものだろうか。早く飲んでみたい!と期待は高まるが、なんと残念なことに今ここに『鬼ババァー』はないという。今年の分はまだ仕込んだばかりでできていないそうだ。無いと言われると余計に飲みたくなるのが世の常だが、追い打ちをかけるような女将の話が続く。

女将「お酒は食品のなかで最も作るのが難しいと言われています。そのぶん作り手の気持ちがそのまま出るんですよ。麹は作り手の心の声をちゃんと聞いてるんです。ガサガサした気持ちで作ったらガサガサした味になる。丁寧に愛情込めてつくれば、おいしいおいしいお酒になります。だから私が作ったお酒は絶対美味しくなるんですよ。もう自分の子供のように大事に大事に育てますから」。

なんでも、温度管理が肝になる仕込みの時には、心配で二晩くらいは寝ずに様子を見ているので、ご家族から「布団持っていって横で寝たら」とあきれられるほどの真剣さだという。

女将「どぶろくは仕込みの温度が1度違うと、もう違うものになってしまいます。でも初めは荒々しくてもやさしく大事に育てていけば、最後は聞き分けのいい子になるんですよ。私が『明日は13度よ』と言うと、言うことを聞いて13度になりますから。ちゃんとこちらの気持ちに応えてくれる。そこがかわいいんですよね」。

そんなバカな!と思いながらも、この女将の言うことなら確かに麹も大人しく聞きそうだ、という気がしてくるから不思議。なんともパワフルな魅力を持った女将である。

ご主人「うちは60年料理屋をやっていますが、昔は仕出しも多かったので、きばってやっていたんです。それが最近じゃ冠婚葬祭もあまり家族が集まらなくなって、一時期の勢いはもうありません。でもまた来たい、と思ってもらえるように色々と工夫を凝らして美味しいお料理やお土産をつくってきました。どぶろくは、これはもう女将の方が絶対うまく作ると思って私がやるように言ったんです。この人は気に入ったらほんまに上手に作りますからね。まだ作りはじめて2年目ですが、昨年の全国どぶろくコンテストに参加しました。今ではご飯を食べに来られたお客さまはだいたい『鬼ババァー』を買って行って下さいますね」。

女将「今年のコンテスト用も今仕込んでいるんです。今年はもっと上手にできますよ」。

やはり、ぜひともこの女将のどぶろくを飲まなくては。出来上がるのが待ち遠しいかぎりである。飽きっぽい女将のことだから、いつまで作ってくれるかも怪しいので、この記事を読んで『鬼ババァー』に興味を持たれた方は、ぜひ早めに入手されることをお薦め致します(笑)。

あらきょうショップ情報

割烹さとう

〒620-0301
京都府福知山市大江町河守1847
電話番号:0773-56-0066
営業時間:午前11時~
定休日 :不定休
駐車場 :20台

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